キャッシュ・カウ (cash cow )とは、ビジネス用語の一つで “稼ぎ頭のビジネス” を表します。 アメリカのボストン・コンサルティング・グループが考案した、企業のビジネス・ユニット(事業単位) をマーケット成長率とマーケットシェアで分類する方法で使われる “growth-share matrix ” ( 成長率-マーケットシェアマトリックス )の中で 用いられています。
Star | Question mark |
Cash cow | Dog |
上の “成長率-マーケットシェアマトリックス図” では、縦軸は成長率(上に行くほど成長率がアップ)、 横軸はマーケットシェア(右に行くほどシェアはダウン)です。マトリックスの中を4つに分類し、企業のビジネス・ユニット または製品・商品をその中にプロットします。
プロットされたビジネスユニットまたは製品・商品がどの分類に属するかによって、今後更に投資するのか、現状を維持するのか、あるいは、撤退するのか、 というような判断をする、すなわち、戦略的プランニングを行う際の 重要なツールとして利用できます。
具体的な例として、ビール業界のアサヒビールのビジネス・ユニットを成長率-マーケットシェアマトリックスの中に当てはめてみます。
酒類事業は、主力製品のスーパードライ を筆頭として、アサヒビールの利益のかなりの部分を 出している事業で cash-cow です。缶コーヒーワンダ を代表とする 飲料事業は star で、今後も成長が期待できる事業です。
酒類、飲料と比較した場合に目劣りがする食品・薬品事業は question mark ですが、着実に投資効果が出ている将来有望なビジネスです。 dog に入れられるのは、その他の事業といわれる不動産等で売上・利益も減少しています。