2021年12月7日時点での世界企業の時価総額1位は、アメリカのAppleです。50位内には、日本の企業は1社、トヨタ自動車のみとなっています。1989年のランキングでは、トップがNTTで、10位内に、7つの日本企業がランクインしていました。
これほどまでに、日本の企業が凋落してしまった理由は、いろいろありますが、要因の一つは、企業の戦略的プランニング(strategic planning)の失敗です。 戦略的プランニングとは、企業が成長しながら、市場の要求にどのように答えていくかを戦略的に計画することです。
アメリカの経済学者、フィリップ・コトラーは、「Principles of Marketing 」の中で、
“Sound planning helps the company to anticipate and respond quickly to environmental changes, and to better prepare for sudden developments.”
(しっかりした戦略的プランニングは、環境変化を予想し、素早く対応し、情勢の急変に対してより良い備えを会社にもたらす)
と話しています。
フィリップ・コトラーによりますと、戦略的プランニング(strategic planning)の作成には、次の3つが必要です。
1.企業理念の明確化
(company mission)
2.企業の目的とゴールの決定
(company objectives and goals)
3.ビジネスポートフォリオの計画と分析
(business portfolio)
Portfolio (ポートフォリオ) とは、元々はファイナンス用語で、「資産内容」 という意味ですが、 マーケティングの世界で使用する場合は、企業が持っている様々な事業のことをいいます。
トヨタ自動車には、自動車事業の他に、金融事業、住宅事業、未来につながる研究、マリン事業、アグリバイオ事業があります。